ミニコラム第1回『TRPGってつまりは何かな?』

TRPG系のコラムを見ててふと思い出した事。
確か、あれは高校生の夏休みの後の頃だったと思ったが、何故か読書感想文があって。
誰だったか、その読書感想文を書いてないから、と、私が手に持ってたソードワールドリプレイ集の1巻
(第1部パーティだよ、古いったら(笑))の、裏の粗筋を見て、読書感想文を書いてた…………。

あの彼は今ごろどーしているんだろう(←どうでもいい(爆)


(閑話休題)


さて、長らくTRPGという遊びで遊んでいるわけだが。
そもそもTRPGとは何か、とかロールプレイングとは何か、という事に関しては割と考えていない事に気付く。
TRPGを現役で遊んでいる人はいざ知らず、今まで遊んだ事もないような人にTRPGとは何か、をどう説明するか
という問題に関しては、結構昔から何度も問われてきた事だと思うが、読者諸兄は、明確な答えが用意できるであろうか?

第1に、CRPG(PS2やDCでやってるRPG)とは 別個のゲームである。ここを間違うと全てがひっくり返る。
MMORPGが近いようにも思えるが、通常のコンシューマーゲームにシナリオがあるのとは別に、MMORPGには
シナリオらしいシナリオがない点から、やはり別物だと言えるだろう。
第2に、演劇ではない。リプレイ本は演劇の台本の形式に『そっくり』だが、決して同じではない。
第3に、戦闘ゲームではない。シミュレーションゲームとは親戚だが、決してイコールではない。

なら、なんなのか?
TRPGは役割を演じるゲームだと言われる。だが、役割を演じる事自体が主題ではないと私は考える。
そもそも役割を演じたいなら、先に否定した演劇をやればいいのだ。
では、一体TRPGとはどういう遊びなのか。

プレイヤーキャラクターの役割は、あらかじめゲームマスターが用意するシナリオを乗り越える為に作られる。
それはつまり、そのキャラクターの技能や能力や癖というモノで表される。
だが、それだけで終わってしまうのであれば、それこそコンシューマーのRPGをやる事をお勧めする。
作り上げたキャラクターには、奇妙な言い方を用いれば『魂が入っていない。』
そこに『魂を入れる』のは、他ならぬプレイヤーである。
その『魂』をなんと呼ぶかというと、私はこれを『コミュニケーション能力』と置き換えたい。

別にこの『コミュニケーション能力』は人と会話をする、といった狭い意味ではない。
提示される状況を読み取り、他のキャラクター(これはプレイヤーキャラクターに限定しない)の動きも把握し、考え
どうしたら問題解決が出来、どうしたら全員が楽しめるか、を考える能力だと私は考える。

セッションにおいての目標はいろいろある。それはダンジョンの奥の宝物を持ってかえる事だったり、奥に住まう邪悪な神官を倒す事だったり
はたまた、依頼された品を守り送り届ける事だったり、古の知識によって作られた謎を解く事だったりする。
これらを為しうるのは、勿論技能や能力値の事もある(特に戦闘場面はどうしてもルールに因るところが多い。)がそればかりでもない。
CRPGとの最大の違いは、PCは自分以外にも居り、NPCにも意思があるという事。
山賊に脅かされる村人から話をひとつ聞くにしても、対応次第でまったく聞けないような事も充分起こりうる。
方向キー+Aボタンで話が進む、コマンドを選択したら喋ってくれる、というような珍妙な事はまずありえない。
そこで関わってくるのは、『コミュニケーション能力』なのだ。

割と重要な事だが、何もプレイヤーは格好のいい台詞を用意する必要はない。基本的にそういう事は要求されてはいないからだ。
(もっとも、そういう事がシステム的にも根底にあるようなゲーム(番長学園など)の場合は別問題だが)
プレイヤーの発言というものは、周りに対する配慮と、明確な意思の申告であればいい。
無論、気のきいた台詞のひとつも言えれば、場に華を添える事ができるだろう。

これらの事から、私はTRPGとは、

『テーブルを囲む他のプレイヤー達と協力し、それぞれの役割を演じながら
 主催者によって与えられた困難を突破する為に努力するゲーム』


であり、TRPGというゲームに求められているのは、能力値でもなく、攻撃力でもなく

『どこまで他人と協力して解答を導き出せるか?』

という事なのかもしれない。

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