輪廻戦記ゼノスケープリプレイ 〜『覚醒めの歌』〜

著:南雲仁

プロローグ 〜始まりの夢〜




石で作られたコロッセオのような建築物の中に大勢の人間達がいる。

楽の音が何千、何万とも言える人々を包み込むように流れており、

周りは熱狂的な……いや、狂信的とも言える熱気のうずが辺りに渦巻いている。

そんな大勢の人達の中に自分がいる。



ふと見ると舞台があり、その上に一人の女性が歩み出て来たところだった。

白いゆったりとした服に身をつつんでおり、その額には豪奢なティアラが輝いている。

そして、装飾の無い服を彩るかのように、ネックレスと腕輪がその女性を飾る。

ゆったりとした動きから軽やかな鈴の音が奏でられ始めた。

そして、朱をひいた唇から、歌声がこぼれだす。



楽の音の高まりに合わせるかのように、歌声も響いていく。

そして、それに呼応するかのように観衆のボルテージも上がっていく。

音色と歌声と観衆の声、そして舞台装置の光。

その全ての奔流が意識を押し流した……。




《第1章へ》

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